No.339 日系人離職者急増も株価低迷要因の一つ
No.339 日系人離職者急増も株価低迷要因の一つ
▼ 直近の厚生労働省の調査によれば,自動車や機械など輸出産業の業績悪化を受けて,国内工場で働く日系人らの離職者が急増しているという。
▼ 9月の新規求職者のうち日系人の数は計一千人前後で,前年同月の2倍以上に上っていた。このために,厚労省は日系人の多い9地域のハローワーク(職安)で通訳を倍増させるなどして対策に乗り出すという。
▼ 世界的な景気後退からの輸出産業の業績悪化で,雇い止めや解雇が相次いている。もっとも,ここ急激な不景気で10月の1ヶ月間で1万人以上の人員解雇が行われたという結果がでているようだ。
▼ 特に,日本語が思うように駆使できない日系人や外国人が真っ先にリストラの標的になっている。
▼ 日系人の多い9地域(浜松市,豊田市,群馬県太田市など)に住む日系人や外国人の中には夫婦共働きでマイホームを建てている人たちも多いと聞く。当然のこととして多くが住宅ローンを使用している。
✰ 09年には日米欧はマイナス成長に落ち込むとの見通しであるため,日本の景気回復過程には2年はかかるのではないか。持家のある日系人は,再就職に時間がかかれば,日本の小型版(mini-sized)サブプライム住宅ローン問題がクローズアップする懸念がある。 日系人ばかりでなく,この数年の間に新築した人たちの中には,リストラで住宅ローンの支払いがストップすることも出てくるのではないか。特に,自動車産業やその関連企業の低迷はしばらく続くようだから。
✰ 職安では日系人を雇用する企業に,助成金などを使って雇用継続や再就職支援を努めるよう要請するという。地元の市町村と連携して就労や生活全般に関する相談を一手に受ける窓口も設けるようだ。
✰ 世界は今,金融危機を引きずりながら景気後退による景気浮揚策に取り組み始めている。世界各国が不況から脱却し,景気回復の歯車が回り始めるまでには長期間かかるのは覚悟しなければなるまい。
✰ 日本の株式市場は楽観は許されまい。一般には,米国株式市場のコピー相場が継続されようから,NYダウの乱高下により日本の市場も左右されよう。しかし,付帯事情として為替が問題だ。中長期にわたって円高ドル安が懸念される。米国のオバマ民主党政権になれば,クリントン政権時のスタッフが多く新政権のメンバーに入ることが予想される。ドル安政策をとり米国経済を回復させるだろう。従って,輸出企業の多い日本にはマイナス要因の一つである。中長期的にも東証1部の株価は乱高下しても1万円以上を回復する可能性は低いだろう。


